脂質異常症
脂質異常症

〜循環器専門医が教える、一生モノの「血管メンテナンス」〜
「悪玉(LDL)コレステロールが高い」「中性脂肪が基準値を超えている」
健康診断でそう指摘されても、体に痛みや違和感が全くないため、「まだ大丈夫だろう」と対策を後回しにしてしまう方は少なくありません。
しかし、数多くのカテーテル治療を手掛け、血管の修羅場を見てきた循環器専門医の視点からお伝えすると、脂質異常症の放置は「血管の中にいつ爆弾が爆発するか分からない不発弾を抱えている」のと同じ状態です。
元住吉の豊﨑医院では、単に検査用紙の数値を下げることだけを目的にしていません。その先にある「心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクを最小限に抑えること」を最優先に考えた、本質的な血管管理を行っています。
血液中の余分な脂(主に悪玉コレステロール)は、単に血管の内側にゴミのようにこびりつくのではありません。血管の壁の内側にじわじわと侵入し、お粥のような柔らかい脂の塊(プラーク)を形成していくのが動脈硬化の真の病態です。
このプラークが限界まで肥大化したり、炎症を起こして「破裂」すると、人体は傷口を塞ごうとして一瞬で巨大な血の塊(血栓)を作ります。これが、それまで普通に流れていた太い動脈を完全に塞ぎ、心臓の筋肉を死滅させる「急性心筋梗塞」や「脳梗塞」の正体です。
私たちは、カテーテル室のモニター越しにこの「プラークが破裂した現場」を何度も目撃してきました。だからこそ、当院の治療は単なる数値合わせではなく、「最新の医学的知見に基づいてプラークの膜を安定化させ、絶対に破裂させないこと」に極めて強いこだわりを持っています。
健康診断の用紙には一律の基準値が書かれていますが、動脈硬化の危険度は一人ひとり全く異なります。
| 検査項目 | 役割と特徴 | 健診の一般的な基準値 |
|---|---|---|
| LDL(悪玉) | 血管の壁の内部へ脂を運び、動脈硬化を進める。 | 140mg/dL 以上で異常 |
| HDL(善玉) | 血管の壁に溜まった余分な脂を回収して掃除する。 | 40mg/dL 未満で異常 |
| 中性脂肪(TG) | 多すぎると悪玉をさらに小型化(超悪玉化)させ、血管壁に侵入しやすくする。 | 150mg/dL 以上で異常 |
近年の国際的な動脈硬化ガイドラインでは、“The Lower, The Better(低ければ低いほど良い)” という考え方が世界的鉄則となっています。
特に、すでに狭心症や心筋梗塞を経験された方の再発予防(二次予防)においては、LDLの目標値は「70mg/dL未満」、糖尿病などの複数のリスクが重なる場合は「55mg/dL未満」という極めて厳格な管理が必要です。また、LDLが正常であっても「中性脂肪だけが高い」状態も血管事故の強い引き金になります。当院では、あなたの背景にあるリスクを的確に評価し、個別の「真の目標値」を設定します。
「油っこいものを食べたから」「運動をサボったから」と、ご自身を責める必要は全くありません。
実は、血液中に存在するコレステロールの約7〜8割は「肝臓」で自ら合成されており、食事から吸収される割合はわずか2〜3割に過ぎません。
体質と遺伝の壁
いくら厳格な食事制限をしても、肝臓での合成能力が高いという遺伝的・体質的要因があれば、数値は容易に基準値を超えてしまいます。
女性ホルモンの変化
(特に50代以降の女性)
女性は閉経を迎えると、これまでコレステロールを強力にコントロールして血管を守ってくれていた女性ホルモン(エストロゲン)が激減します。そのため、これまでと同じ生活をしていても、LDL値が驚くほど急上昇します。
これは自然な体の変化であり、恥ずかしいことでも何でもありません。大切なのは、食事制限という精神論で無理をするのではなく、低下した機能を医療の力でロジカルに補い、しなやかな血管を保つことです。
高血圧、糖尿病、脂質異常症は、お互いに手を取り合って血管を攻撃する「三位一体」の病気です。当院では、これらを一つのパッケージとして俯瞰し、最大の予防効果を引き出します。
食事の影響が3割である以上、過度な食事制限は長続きせず、ドロップアウト(治療中断)の元になります。ベースとなる生活習慣の最適化(持続可能な工夫)は指導しつつ、体質的な要因に対しては適切な医療を組み合わせることで、患者さんの生活の質(QOL)を落とさずに血管を守ります。
お薬を使用する場合も、ただ数値を下げるだけの視点では選びません。「血管壁に溜まってしまったプラークを縮小させ、膜を分厚くして破裂しにくくする効果(プラークの安定化)」が科学的に実証されている薬剤を、循環器専門医の知見から精密に選択・処方します。
脂質異常症は、放置したからといって明日すぐに体調が悪くなるわけではありません。しかし、5年後、10年後のあなたの心臓の血管を、確実に、そして音も立てずに蝕んでいきます。
「健診で再検査と言われたけれど、まだ薬を飲むほどではないのでは?」
「現在他院でコレステロールの薬をもらっているが、自分のリスクに対して今の数値が本当に安全なのか専門医の意見を聞きたい」
どのような段階のご相談でも強く歓迎いたします。他のお薬や合併症との兼ね合いを正確に把握するため、受診時はぜひ「健康診断の結果用紙」と「お薬手帳」をお持ちください。
豊﨑医院は、高度医療の確かな視座と、生涯にわたる日常管理を繋ぐ地域医療のフロントラインとして、あなたの「しなやかで健やかな血管」を守るパートナーでありたいと願っています。
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